AI概要
【事案の概要】 原告(積水ハウス株式会社)は、住宅の基礎コンクリート及び水切り部分の立体的形状からなる立体商標(本願商標)について商標登録出願をしたが、特許庁は拒絶査定不服審判において「商標法3条1項3号に該当し、同3条2項の要件も具備しない」として請求不成立の審決をした。原告はこの審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 - 取消事由1:本願商標が商標法3条1項3号(役務の提供の用に供する物の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)に該当するかについての審決の判断の誤り - 取消事由2:本願商標が長年の使用により識別力を獲得しているとして商標法3条2項の適用が認められるべきかについての審決の判断の誤り 【判旨】 裁判所は原告の請求を棄却した。 取消事由1について、裁判所は、本願商標の立体的形状(石調の地模様に縦線・横線による枠状模様を施した住宅基礎部分の形状)は、建物の基礎部分について機能または美観に資することを目的として採用されたと認められると判断した。建物基礎部分への塗装・化粧モルタル施工・タイル貼り等の装飾が広く一般に行われており、石調素材の使用や凹凸・縦横線を用いた意匠も存在することから、本願商標は需要者において機能向上または美観向上を目的とする形状の変更・装飾として予測し得る範囲のものであり、役務の出所を識別する標識として認識させるものとはいえないとして、商標法3条1項3号への該当性を認めた。原告が主張する特異な工法(型枠による凹凸転写)は本願商標の外観から直接認識できる要素ではなく、一般消費者たる需要者がその工法に特段の関心・知見を有するとはいえないとして、原告の主張を退けた。 取消事由2についても、実質的に同一形状を備えた住宅の具体的な使用実績が不明であること、住宅基礎部分は需要者の目に付きにくく強い印象を与えないこと、原告の広告宣伝において基礎形状を出所識別標識として積極的に周知させた実績が認められないことなどから、商標法3条2項の要件を具備しないとした審決の判断に誤りはないと結論づけた。