AI概要
【事案の概要】 原告(積水ハウス株式会社)は、住宅の基礎コンクリート及び水切りの部分からなる立体商標(建物の基礎表面に凹凸・縦線・横線の装飾を施した形状)について、第36類「建物の売買」及び第37類「建設工事」を指定役務として商標登録出願を行った。特許庁は拒絶査定を下し、審判請求も棄却されたため、原告が審決取消しを求めて本件訴えを提起した。 【争点】 ・本願商標が商標法3条1項3号(役務の提供の用に供するものの形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)に該当するか ・本願商標が使用の結果として自他役務識別力を獲得しており、商標法3条2項の要件を具備するか 【判旨】 裁判所は原告の請求を棄却した。 商標法3条1項3号該当性について、本願商標は上面視四角形の周縁表面に石調の模様を施した住宅建物の基礎相当部分(水切り状の部分及び立ち上がり部分)を表してなるものと認定した。建物の基礎部分についても、機能または美観向上のために石材・塗装・化粧モルタル・タイル貼り等により装飾を施すことは広く一般に行われており、石調素材の使用、縦線・横線を施したもの、凹凸をつけたものも存在すると判断した。本願商標の形状は、需要者において機能向上または美観向上を目的とする形状の変更・装飾として予想し得る範囲のものであり、役務の出所を識別する標識として認識させるものとはいえないとして、同号に該当すると判断した。 原告の主張(基礎表面の凹凸形状は機能・美観と無関係であること、特異な工程によるものであること、長年の使用により識別力を発揮していること等)についても、需要者は住宅業界事情に精通しない一般消費者を含み、工法は外観から直接認識できる要素ではないとして退けた。 商標法3条2項該当性についても、本願商標と同一形状を使用した住宅の具体的規模が不明であること、住宅基礎部分は需要者の目に付きにくい箇所であること等から、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識するに至ったものとはいえないとして、同項の要件を具備しないと判断した。