AI概要
【事案の概要】 原告(中国の冷凍食品メーカー)は、被告(日本のウナギ事業会社)との間で締結したウナギ加工品の売買契約に基づき、令和4年9月7日及び同年10月22日積荷分の売買代金合計71万3249.92米ドルと遅延損害金の支払を求めた。被告は、①原告の食品用台紙が被告の保有する特許権(食品用台紙に関する特許)を侵害するとして損害賠償債権との相殺、②死んだウナギを加工品に使用したことによる債務不履行に基づく損害賠償債権との相殺を抗弁として主張した。 【争点】 - 遅延損害金の準拠法(中国法か日本法か)および利率 - 原告製品が被告の保有する特許(食品用台紙に関する特許第7002166号)の技術的範囲に属するか - 原告による原告製品の「譲渡等」の有無、および原告とアイステーションの共同不法行為の成否 - 原告が死んだウナギを加工品に使用したことによる債務不履行の有無 【判旨】 裁判所は原告の請求を全面的に認容した。 ①準拠法について:本件各売買契約には準拠法の選択に関する合意は認められず、ウィーン売買条約には遅延損害金の規定がないため、法の適用に関する通則法8条により最密接関係地法が準拠法となる。売主である原告の常居所地が中国であることから、中国法が準拠法となる。遅延損害金は中国の最高人民法院の解釈に基づき、令和4年のLPR(年3.45%)に30%を加算した年4.485%と認めた。 ②特許権侵害(相殺の抗弁)について:構成要件Cの「板紙の秤量」は、撥水性層を有する上面部及び下面部を含まない板紙のみの坪量(1㎡当たりの重量)を意味すると解釈した上で、被告が提出した測定証拠は原告製品であることの客観的裏付けに欠け、また上面部・下面部の重量が不明であるため板紙のみの坪量が判明しないとして、構成要件Cの充足を認めず、特許権侵害に基づく相殺の抗弁を退けた。 ③債務不履行(相殺の抗弁)について:原告が死んだウナギを加工品に使用したとの具体的・客観的な証拠がなく、債務不履行の事実は認められないとして、この相殺の抗弁も退けた。