AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社ソラスタイルズ)は、自社が製造・販売するハンドバッグ「marche-mini」の形態を、被告(株式会社ルートート)が製造・販売するハンドバッグ「L.T.デリ.CORON」シリーズが模倣していると主張し、不正競争防止法2条1項3号(形態模倣)に基づき、640万円の損害賠償を求めた事案である。原告商品は令和元年8月に販売開始された婦人用ハンドバッグであり、被告商品は令和4年2月から販売されている。 【争点】 - 被告商品による原告商品の形態模倣の有無(実質的同一性・依拠性) - 被告の故意又は過失の有無 - 不競法上の保護期間(3年)の経過の有無 - 原告の損害の有無及びその額 【判旨】 裁判所は原告の請求を棄却した。 両商品の形態を対比すると、パイピングによる略二等辺三角形の構成、脇面・底面の形状、ハンドルの素材構成(片面本革/フェイクレザー・片面ツイル)、口回りのパイピング段差など複数の共通点が認められた。一方、相違点として、①正面・背面から見た全体的形状の差異、②正面タグの有無、③背面外部ポケット(「ルーポケット」)の有無、④内ポケットの位置・形状、⑤段差の程度、⑥ハンドル付け根の縫製仕様が認められた。 裁判所は、相違点①②④⑤⑥はそれ自体では実質的同一性を否定するには足りない些細な相違にとどまるとしつつも、相違点③(背面外部ポケットの有無)については、被告商品の背面中央部のかなり大きな領域を占め、取引者・需要者に強く印象付ける顕著な相違であり、かつ被告がこの「ルーポケット」をブランドのアイデンティティと位置付けていることも踏まえると、些細な相違とはいえないと判断した。以上から、両商品の形態は実質的に同一とはいえず、形態模倣の不正競争は成立しないとして、請求を棄却した。