不開示決定処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告が、情報公開法に基づき、ある宗教法人(「A」から「B」への名称変更に関する認証手続の文書)の開示を文化庁長官に請求したところ、一部が不開示とされたため、不開示処分の取消し及び開示の義務付けを求めた行政訴訟である。不開示の根拠として、情報公開法5条2号イ(法人の正当な利益を害するおそれ)及び同条5号(意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ)が主張された。 【争点】 各不開示部分について、(1) 宗教法人の名称変更理由等の情報が情報公開法5条2号イの不開示事由に該当するか、(2) 文化庁内部の検討資料等が同条5号の不開示事由に該当するか、(3) 不開示情報の区切り方の合理性、(4) 開示の義務付けの可否。 【判旨】 一部認容・一部却下・一部棄却。裁判所は、宗教法人の信教の自由(宗教的結社の自由)に基づく意思形成の自由を重視し、名称変更の理由や責任役員会・評議員会の議事録等(不開示部分1〜5)については、公にすることが宗教法人の意思形成過程への干渉となるとして、不開示を適法と判断した。他方、弁護士の意見書(本件文書(3)')や文化庁の内部検討資料(本件文書(4)'の資料①〜③の16)については、被告が文書全体を一括して不開示としたことに対し、情報の区切り方として合理性がなく、文書を個別の行政文書ごと・項目ごとに区分して不開示情報該当性を判断すべきであるとした。特に弁護士の意見書のうち、文科大臣の記者会見等で既に公になっている部分は不開示事由に当たらないとして、これらの不開示処分を違法として取り消した。ただし、開示の義務付けについては、不開示情報が含まれる可能性があり開示処分をすべきことが法令上明らかとはいえないとして、請求を棄却した。