司法警察員がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件、検察官がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 申立人が、ホテルのロビーでAが持参した不動産購入代金1億5000万円等在中のスーツケースを詐取したとして起訴されたが、無罪判決が確定した事案に関連する押収物還付をめぐる特別抗告である。司法警察員は捜査段階でスーツケース内の現金1500万円を被害品と認めてAに還付し、その後Aから任意提出を受けて領置した。申立人は無罪確定後に現金の還付を請求したが、検察官はこれを拒否した。申立人は、司法警察員のAへの還付処分と検察官の還付拒否処分の双方について準抗告を申し立てたが、いずれも棄却されたため、特別抗告に及んだ。 【判旨】 最高裁は、職権により各原決定を取り消した。まず、刑訴法430条の準抗告は捜査機関の処分に対する不服申立制度であることから、準抗告裁判所は処分当時の資料のみならず、その後に収集・提出された資料も考慮すべきであるとした。原決定が処分当時の資料のみで判断したことは、同条の解釈適用を誤った違法があるとし、無罪判決の記録等によれば現金が贓物であったとは認められないと判断した。還付拒否処分についても、還付処分が取り消されるべきである以上、差押えに基づく押収の効果は失われておらず、申立人は押収処分を受けた者に当たるとし、原決定を取り消した。ただし、申立人以外の者に還付することが相当な事情の有無については検察官が改めて判断すべきであるとした。
裁判要旨
刑訴法430条の準抗告裁判所は、捜査機関の処分の当否を判断するに当たり、捜査機関が当該処分当時に収集していた資料のみならず、その当時の事実に関する資料であって、その後に捜査機関が収集し、又は裁判所に提出されたものについても考慮に入れるべきである。
参照法条
刑訴法124条1項、刑訴法222条1項、刑訴法426条、刑訴法430条、刑訴法432条