被告人両名に対する住居侵入、強盗致傷、窃盗、強盗、窃盗未遂各被告事件、被告人甲に対する窃盗、加重逃走未遂被告事件、被告人乙に対する窃盗、出入国管理及び難民認定法違反、傷害被告事件
判決データ
- 事件番号
- 令和6(わ)183
- 事件名
- 被告人両名に対する住居侵入、強盗致傷、窃盗、強盗、窃盗未遂各被告事件、被告人甲に対する窃盗、加重逃走未遂被告事件、被告人乙に対する窃盗、出入国管理及び難民認定法違反、傷害被告事件
- 裁判所
- 福島地方裁判所
- 裁判年月日
- 2025年10月29日
- 裁判官
- 彦田まり恵
AI概要
【事案の概要】 ベトナム国籍の被告人2名(甲・乙)による住居侵入、強盗致傷、窃盗等の事案である。被告人らは技能実習先を離脱後、金欲しさからドラッグストアでの万引きを繰り返していたが、より発覚しにくい方法として、令和6年4月30日から同年5月14日までの約2週間に、栃木県・長野県・群馬県・福島県の4県にまたがり、山間部の高齢一人暮らしの民家を狙った連続強盗に及んだ。深夜に被害者宅に侵入し、就寝中の被害者の手足をネクタイやガムテープで緊縛し、はさみや包丁などの刃物で脅迫して現金等を強取するという極めて危険な態様であり、被害者2名に全治約7日間の傷害を負わせた。4件の強盗・強盗致傷事件の被害現金額は合計約27万円に上る。このほか、被告人甲は単独でドラッグストア6店舗から合計約22万円相当の商品を窃取し、勾留中に留置施設の天井を破って逃走を図った加重逃走未遂にも及んだ。被告人乙は不法残留のほか、取調べ中に通訳人の頸部にボールペンを突き付けて全治約14日間の傷害を負わせた。 【判旨(量刑)】 被告人両名をそれぞれ懲役13年に処した(求刑は各懲役14年)。裁判所は、一連の強盗致傷・強盗事件を量刑判断の中心に据え、いずれも高齢者の独居宅を深夜に狙い、刃物を用いて手足を緊縛するという極めて危険かつ計画的な犯行態様であること、約2週間に4県にまたがって連続敢行された常習性・広域性、被害者らが受けた恐怖・精神的苦痛の甚大さを重視した。犯行動機についても、技能実習先での暴行や借金返済の事情は強盗を正当化する理由にならず、身勝手で短絡的であると断じた。被害弁償は一切なされておらず目途も立っていない。被告人甲については万引き6件・加重逃走未遂の悪質さと反省の乏しさ、被告人乙については窃盗・不法残留・通訳人への傷害事件を個別に考慮し、同種事案の量刑傾向も参照した上で、両名とも主文の刑が相当と判断した。