破産手続開始決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 法人格を有する政党等(政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(以下「法」)7条の2第1項に基づく法人)である抗告人に対し、債権者である相手方が破産手続開始の申立てをした。抗告人は、法10条1項又は2項の規定により解散したものには当たらない。原審は抗告人について破産手続開始の決定を受けるべき適格を有するとして申立てを認容し、抗告人がこれを不服として許可抗告に及んだ。 【争点】 法10条1項又は2項により解散していない法人である政党等が、破産手続開始の決定を受けるべき適格を有するか。抗告人は、解散していない政党等が破産手続の対象となれば政党交付金を含む財産の管理処分権を失い、政党の政治活動の自由を尊重すべきとする政党助成法4条1項の趣旨目的に反すること、破産手続における配当が政党交付金による支出に当たらないとされた場合に総務大臣から返還命令を受けかねないことなどを根拠に、解散していない限り破産手続の対象とならないと主張した。 【判旨】 最高裁は、裁判官全員一致の意見で抗告を棄却した。破産法13条が民訴法28条を準用していることから、民法上の権利能力を有する者は破産手続開始の決定を受けるべき適格を有するのが原則であるとした。また、法が解散した法人である政党等について破産手続開始の決定を受けた場合の規定を置いていること(10条の9)からも、法人である政党等がおよそ破産手続の対象となり得ない性質の法人であるとは考えられないとした。法10条2項が破産手続開始の決定を解散事由に掲げていないのは、法人である政党等が破産手続の開始によって解散せず、破産手続終了時にも法人格を失わないことを意味するにすぎないと解した(破産法35条参照)。さらに、政党助成法4条1項の趣旨目的は国が政党交付金交付に当たり政治活動の自由を阻害しないようにすることにあるところ、破産手続開始により財産の管理処分権を失うとしても、当該財産は自由な政治活動のために生じた破産債権に対する配当の原資等になるのであり、同項の趣旨目的に反しないとした。
裁判要旨
政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律7条の2第1項にいう法人である政党等は、同法10条1項又は2項の規定により解散したものでない場合であっても、破産手続開始の決定を受けるべき適格を有する。
参照法条
政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律10条1項、2項、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律10条の9、破産法13条、破産法35条、民訴法28条、政党助成法4条1項、政党助成法33条2項