AI概要
【事案の概要】 本件は、いわゆる特殊詐欺(オレオレ詐欺)の被害者である原告ら3名が、詐欺の実行犯である被告Eら2名に対し共同不法行為に基づく損害賠償を、また、被告Eが所属していた指定暴力団・極東会の会長・理事長・総本部長である被告Gら3名に対し暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)31条の2に基づく損害賠償を、それぞれ連帯して求めた事案である。被告Eらは平成31年1月、親族を装って被害者らに架電し、合計1350万円を詐取した。 【争点】 (1) 被告Gらの被告適格の有無(極東会の代表者が代替わりしたことで別団体となったか)、(2) 暴対法の違憲性(憲法13条・14条・21条等違反の主張)、(3) 極東会に対する暴対法3条の指定処分の有効性、(4) 被告Eらによる共同不法行為の成否及び損害額、(5) 被告Gらの暴対法31条の2に基づく責任の成否(被告Eが「指定暴力団員」に該当するか、本件詐欺行為が「威力利用資金獲得行為」に該当するか等)。 【判旨】 裁判所は、被告Gらの被告適格を肯定し、暴対法の違憲主張及び指定処分無効の主張をいずれも排斥した。共同不法行為については、被告Eらが共犯者らと関連共同して詐欺行為を遂行したと認定した。暴対法31条の2の責任については、被告Gらが極東会の運営を支配する地位にあった「代表者等」に該当すること、被告Eが極東会の下部組織である眞誠会K組の構成員であり「指定暴力団員」に該当すること、被告Eが暴力団員としての影響力を犯行グループの維持・運営に利用し、眞誠会K組所属による便益も利用していたことから「威力利用資金獲得行為」に該当することをそれぞれ認定した。損害額は、詐取金額に慰謝料(詐取金の1割)及び弁護士費用(合計額の1割)を加算し、原告代替氏名Dにつき242万円、原告Bにつき1210万円、原告Cにつき181万円の連帯支払を命じた。