裁判要旨
金属アレルギーを理由にひげそりを拒否した受刑者に対し、刑事施設の職員が有形力を行使して強制的にひげをそった措置は、当該受刑者が金属アレルギー及びかみそりによる皮膚の炎症を繰り返し訴え、当該受刑者を診察した皮膚科医師が金属アレルギーの正確な診断を行うためにパッチテスト等を外部施設で実施する必要がある旨の所見を示していたことや、当時、当該受刑者がひげをそらないことにより、衛生管理における支障、安全衛生面での危険、他の受刑者の矯正処遇の適切な実施における支障などが生じる具体的なおそれがあったとは認め難いことなど、判示の事実関係の下においては、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律60条1項の規定の趣旨目的を達成するために必要かつ相当な限度を超えるものであり、かつ、同法77条1項の制止等の措置として合理的に必要な限度を超えるものであって、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然とされたものというべきであるから、国家賠償法上違法である。
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