損害賠償請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人(アコロテックジャパン株式会社)は、「ジェットバブル」を登録商標(本件商標)として有しており、被控訴人(株式会社パイプ環境サービス)がトラックに付した「SUPER JET BUBBLE」の標章(被告標章1)およびウェブページ上での同標章または「ジェットバブル」の標章(被告標章2)の使用が、本件商標権を侵害すると主張した。控訴人は、商標法38条3項および民法703条に基づき、損害賠償金1560万円と利得金の一部440万円の合計2000万円および遅延損害金の支払を求めた。原審(東京地裁)は控訴人の請求を全部棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 ・被控訴人による被告標章1および2の使用について、控訴人が黙示に許諾していたか否か(争点1) 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴を棄却し、原判決を維持した。 裁判所は、以下の事実関係を重視した。①被控訴人に本件トラック2を譲渡した際、既に車両には被告標章1が付されており、控訴人代表者が標章の表示変更を指示した証拠はない。②被控訴人は平成16年頃からウェブページ上に被告標章2を使用しており、控訴人代表者はその頃から自ら営業活動を行い、被控訴人に工事案件を紹介し、ジェットバブル車の使用方法の技術指導も行っていた。③控訴人代表者が出願した本件特許について、平成24年に出願名義を被控訴人に変更する届出がされ、最終的に被控訴人が特許権者として登録された。④控訴人の関連会社からの作業依頼にも被控訴人が対応しており、その担当者は控訴人代表者であった。 これらの事実から、控訴人代表者が被告標章の使用を知らなかったとは到底考え難いと判断した。控訴人と被控訴人は約18年にわたり互いに協力してジェットバブル工法の高圧洗浄事業を行ってきており、その当初から控訴人は被控訴人が被告標章1および2を無償で使用することを黙示に許諾していたと認めるのが相当とされた。控訴人の「侵害を認識したのは令和4年4月頃であり、黙示の許諾は成立しない」との主張は採用されなかった。