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下級裁

妨害予防請求事件

判決データ

事件番号
令和4(ワ)70
事件名
妨害予防請求事件
裁判所
山口地方裁判所 岩国支部
裁判年月日
2026年3月5日

AI概要

【事案の概要】 原告(電力会社)は、山口県熊毛郡内においてa原子力発電所(本件発電所)の建設を計画し、公有水面埋立法に基づく公有水面埋立免許を受けている。原告は、本件発電所の建設に反対することを目的とする権利能力なき社団である被告が、原告による本件公有水面での海上ボーリング調査(断層の活動性評価のためのデータ取得を目的とする地質調査)を船舶の停泊・航行等により繰り返し妨害してきたとして、今後の妨害行為の一切を禁止するよう求めた妨害予防請求事件である。被告は、本件発電所の建設に反対するc在住の住民等で構成され、令和元年から令和3年にかけて計3回にわたり、原告の調査実施を阻止する目的で本件公有水面に船舶を進入・停泊させた。 【争点】 ・公有水面埋立権に基づく妨害予防請求の可否(海上ボーリング調査への妨害が埋立権侵害に当たるか、条例上の占用許可の要否、cの漁業者らへの補償の要否等) ・本件公有水面の占有権に基づく妨害予防請求の可否 ・平成26年の裁判上の和解条項(第3項)に基づく妨害予防請求の可否 ・被告による海上ボーリング調査等の妨害のおそれの有無 ・原告の妨害予防請求が権利濫用に当たるか 【判旨】 裁判所は原告の請求を認容した。 まず、公有水面埋立権について、同権利は国の所有権から派生した所有権類似の性質を持ち、埋立工事の施行を妨害する者を排除・予防する権能を包含すると解した。また、妨害予防請求の対象は埋立区域における直接の埋立工事にとどまらず、工事施行区域内において所有権を取得する埋立地を所期の用途(本件発電所建設)に供することを妨げる行為にも及ぶと判示した。 本件海上ボーリング調査は、原子力規制委員会の新規制基準対応に向けた断層活動性評価のために不可欠であり、埋立工事に先立って実施する必要があることも合理的と認定した。被告が主張した①山口県の一般海域占用許可の未取得(公有水面埋立免許があれば占用許可は不要)、②公有水面の公共性から排他的支配はできないという主張、③cの漁業者らへの未補償の主張(自由漁業は漁業権より脆弱で公水法上の水面権者に該当しない)、④調査の主目的が中間貯蔵施設に向けたものとの主張はいずれも排斥した。 妨害のおそれについては、令和元年から令和3年の間、被告代表者の呼びかけに応じた会員らが組織的に船舶を進入・停泊させて調査を妨害した事実を認定し、今後も同様の妨害が行われるおそれが高いと判断した。 権利濫用の主張(原告の公有水面埋立権が無期限凍結されており脆弱、調査の実際の目的が中間貯蔵施設向け等)についても、原告は新規制基準施行後から適合に向けた取組みを続けており、埋立免許の工事竣功期間も順次延長されていることなどから、権利濫用には当たらないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。