AI概要
【事案の概要】 原告ら(ブロード研究所、MIT、ハーバード大学)は、CRISPR-Cas9ゲノム編集技術に関する特許(特許第6203879号)を保有していたところ、被告(ツールゲン・インコーポレイテッド)が無効審判を請求した。特許庁は、本件特許の優先権主張の基礎となる第1及び第2基礎出願(2012年12月12日及び2013年1月2日の米国仮出願)の出願人4名のうちD博士がロックフェラー大学に権利を譲渡しており、ロックフェラー大学から原告ブロード研究所への優先権の譲渡が認められないとして、第1及び第2基礎出願に基づく優先権主張を不適法と判断し、優先日が繰り下がることを前提に本件特許を無効とする審決をした。原告らは同審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 - 原告ブロード研究所が、パリ条約4条A(1)にいう「承継人」に当たるか否か。具体的には、D博士からロックフェラー大学に譲渡された第1及び第2基礎出願に係る優先権について、ロックフェラー大学から原告ブロード研究所への譲渡(本件譲渡)が、本件PCT出願日(2013年12月12日)までに成立していたか。 - ロックフェラー大学と原告らとの間に、米国契約法上の要件(相互合意の表明と約因の存在)を満たす優先権譲渡の合意があったか。 - 発明者調査の実施と関連PCT出願の出願プロセスへの協力が、黙示の優先権譲渡合意を構成するか。 【判旨】 (PDFテキストが途中で切れており、裁判所の最終的な判断部分が含まれていないため、判旨の全容は確認できない。) 裁判所は、取消事由の検討において、ロックフェラー大学の上級副学長U氏の陳述書(甲33、62、65)の内容を詳細に検討している。同陳述書には、ロックフェラー大学が本件PCT出願に関する優先権を含む全ての権利をブロード研究所に譲渡済みであること、発明者調査の実施に同意したこと、D博士が真核細胞に関する発明の発明者として認められなかったことに不満を持ちつつも、PCT出願とその優先権主張の正当性を危うくする意図はなかったことが記載されている。原告らは、本件各機関(ブロード研、MIT、ハーバード大、ロックフェラー大)間で発明者調査に基づきPCT出願の出願人を決定するプロセスに合意があり、そのプロセス自体が優先権の譲渡を当然の前提としていたと主張した。被告は、ロックフェラー大学がD博士の発明者該当性について強い不満を有し、2014年に自らを出願人とする継続出願(米国960出願)を行うなど、優先権譲渡と矛盾する行動をとっていたことから、出願日時点での合意の成立はあり得ないと反論した。 (判決の結論部分はPDFテキストの提供範囲に含まれていないため、最終的な結論は不明である。)