AI概要
【事案の概要】 原告(インターネット情報提供サービス業を営む株式会社)は、自社が運営する釣り情報サイト「関西のつりWeb」に掲載されていた5点の写真について、被告(ゴルフ場等の運営会社)が自社ウェブサイトの記事「GFCマガジン」(淡路島の釣りスポット紹介記事)に約34か月間にわたり無断で掲載したと主張し、複製権・公衆送信権の侵害(一部期間は独占的利用権の侵害)を理由に、不法行為に基づく損害賠償374万円(写真1点月額2万円×5点×34か月=340万円+弁護士費用34万円)及び遅延損害金を請求した事案である。 【争点】 ・原告が本件各写真の著作権者ないし独占的利用権者といえるか ・損害の額(特に著作権法114条3項によるライセンス料相当額の算定) 【判旨】 著作権者性については、本件写真1〜3は原告代表者Iが岳洋社の従業員として職務上撮影した職務著作で岳洋社に原始的に著作権が帰属し、本件写真4は岳洋社が第三者に委託して撮影させ納品により著作権を取得したものであり、岳洋社から原告に対し平成29年9月29日に独占的利用許諾、令和6年8月10日に著作権譲渡がされたと認定。本件写真5は原告設立後にIが原告の職務として撮影した職務著作と認めた。これにより原告の権利者性を肯定し、被告の過失による不法行為の成立を認めた。 損害額については、原告主張の「自社規定料金(月額1万円)の200%を請求する」旨のウェブサイト上の一方的記載は、対象著作物の内容を踏まえない一律のものであり損害算定の基礎とすることは困難とし、原告が提出した取引実績の請求書も撮影料・執筆料や別の写真に係るもので直接参酌できないと判断。他方、撮影過程の負担、約34か月の侵害期間、被告がウェブ制作を第三者に委託していた経緯、原告からの請求後直ちに削除したこと、掲載中も出典として「関西のつり」と記載していたこと等の事情を踏まえ、被告の侵害態様は悪質とはいえないと評価。一般的な風景写真の利用料金に関する双方の証拠等を総合考慮し、写真5点全体のライセンス料相当損害額(著作権法114条3項、独占的利用権侵害については類推適用)を計30万円、相当因果関係のある弁護士費用を3万円と認め、合計33万円及び遅延損害金の限度で原告の請求を認容した。