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静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原発3〜5号機の運転差し止めを求め、周辺住民や弁護士が提訴している裁判で、2026年3月19日に静岡地裁で67回目の口頭弁論が開かれた。裁判所は1月に和解案(3・4号機の運転停止に限定する内容)を示したが中部電力が拒否。これを受け裁判所は次回期日を取り消して弁論を終結させ、10月27日に判決を言い渡す方針を示した。原告側はこの対応を「10年やってきた裁判を続ける必要がないという暴論」「司法の役割を放棄するような暴挙」と強く批判し、裁判官3人全員の忌避(交代)を申し立てた。なお、中部電力は2025年末に浜岡原発の耐震設計に用いたデータの不正操作が発覚しており、再稼働審査は白紙となっている。
プロフィール
経歴
平山馨裁判官は51期(1999年任官)。最高裁事務総局家庭局付として事務総局勤務を経験しており、司法行政にも精通した裁判官である。那覇地裁で初の部総括判事を務めた後、東京地裁では池袋暴走事故の民事訴訟で約1億4000万円の賠償を命じる判決を出すなど、社会的注目度の高い事件を担当してきた。2024年4月から現在の静岡地裁民事第2部の部総括に就任し、浜岡原発訴訟を引き継いだ。長崎地裁厳原支部(対馬)への赴任経験もある。
過去の注目判決
2019年4月の池袋暴走事故で妻子を亡くした遺族が飯塚幸三受刑者に損害賠償を請求した民事訴訟。平山裁判長は約1億4000万円の賠償を命じ、「注意義務違反の程度は重大で、一方的かつ重大な過失があった」と認定。刑事裁判での不合理な弁解を「遺族の心情を逆なでする行為」と批判し慰謝料に反映した。双方控訴せず確定。
石垣島への陸上自衛隊配備計画について住民投票の実施を求めた訴訟。平山裁判長は住民投票の実施が行政事件訴訟法上の義務付け対象にならないとして訴えを却下。最高裁まで争われたが2024年に上告棄却で確定した。
解説
浜岡原発訴訟は2015年の提訴から約10年が経過した長期訴訟である。平山裁判長は2024年4月に着任してこの訴訟を引き継いだ。
本件の最大の転機は、2025年末に発覚した中部電力による基準地震動データの不正操作問題である。原子力規制委員会は再稼働審査を白紙に戻し、中部電力の林社長は電気事業連合会会長を辞任する事態に発展した。2026年1月の口頭弁論で平山裁判長は「裁判所としてもはなはだ遺憾に思う」と異例の苦言を呈していた。
しかし、3月19日の期日で裁判所は弁論終結と10月判決の方針を示した。原告側の青山雅幸弁護士は「原子力規制委員会で再稼働を認めるという蓋然性が直ちに見通せないから、10年やってきた裁判を続ける必要がないという暴論」「これまで10年この裁判に携わってきた原告、被告、そして裁判官の苦労を全部彼らの判断でひっくり返そうとする、これこそ忌避に値する」と強く批判し、裁判官3人全員の忌避を申し立てた。一方、中部電力の鈴木康仁原子力訴訟グループ長は「訴訟の進行については裁判所が決めることだと思っています。その中で我々はできる限りのことをしていく」と述べるにとどめた。
平山裁判長は東京地裁で池袋暴走事故の民事訴訟を担当し、被告の不合理な弁解を厳しく批判する判決を書いた経験がある。一方、那覇地裁時代には自衛隊配備をめぐる住民投票訴訟で訴えを門前払いにしており、訴訟の入口で厳格な判断を下す一面も持つ。事務総局家庭局での勤務経験もあり、司法行政の内側を知る裁判官でもある。
忌避申立ての結果次第では裁判体が交代し、判決時期が大幅にずれ込む可能性がある。原発のデータ不正という前代未聞の事態を受けた司法判断がどうなるか、今後の展開が注目される。
出典・参考
- テレビ静岡(FNN) — 2026年3月19日の口頭弁論の報道
- 静岡朝日テレビ(Yahoo!ニュース) — 忌避申立てと和解案拒否の詳細報道
- 朝日新聞 — 浜岡原発データ不正問題の経緯まとめ
- 読売新聞 — 規制委の中部電力本店立ち入り検査
- 新日本法規WEBサイト — 平山馨裁判官の経歴・担当裁判例
- 裁判官マップ — 住民投票義務付け訴訟(那覇地裁) — 石垣島自衛隊配備 住民投票義務付け訴訟の判決
- 裁判官マップ — 池袋暴走事故 損害賠償請求訴訟(東京地裁) — 池袋暴走事故の民事損害賠償訴訟の判決
- 裁判官マップ — 平山馨 — 現職・所属情報
※ この記事はAIが公開情報をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な情報は出典元をご確認ください。