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2026-03-24

村越一浩裁判官大阪高等裁判所

「紀州のドン・ファン」事件控訴審 — 大阪高裁が1審無罪を支持、検察側控訴を棄却

ニュース

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77歳)に覚醒剤を飲ませて殺害したとして、殺人罪と覚醒剤取締法違反に問われた元妻・須藤早貴被告(30)の控訴審判決で、大阪高裁は2026年3月23日、1審・和歌山地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。村越一浩裁判長は、元妻が犯人であることを疑わせる事情は認めつつも、致死量を超える覚醒剤を不信感なく摂取させることは容易ではなく、「1審の無罪判決は不合理ではない」と判断した。

出典: 毎日新聞2026年3月23日

プロフィール

生年月日1965年8月31日(60歳)
出身大学京都大学
修習期43期
定年退官2030年8月31日
現職大阪高等裁判所 第4刑事部部総括判事

経歴

村越一浩裁判官は43期(1991年任官)のベテラン刑事裁判官。大阪地裁で刑事部部総括(裁判長)を長く務め、令状部(10刑部)の上席判事も経験した。その後、那覇地家裁所長・広島地家裁所長と2つの地裁で所長職を歴任し、2024年4月に大阪高裁に着任。現在は第4刑事部の部総括として控訴審の重大刑事事件を担当している。地裁所長を2か所経験した後に高裁部総括に就くのは、司法行政と裁判実務の双方で十分な実績を積んだ裁判官に見られるキャリアパスである。

1991年4月大阪地方裁判所判事補(任官)
1993年4月那覇地方裁判所判事補
2000年7月東京地方裁判所判事補
2000年9月宮崎地方裁判所判事補
2001年4月宮崎地方裁判所判事
2004年4月大阪地方裁判所判事
2007年4月松山地方裁判所判事
2008年1月松山地方裁判所部総括判事
2011年4月大阪高等裁判所判事
2012年5月大阪地方裁判所判事
2013年4月大阪地方裁判所刑事部部総括判事
2021年6月那覇地方・家庭裁判所長
2022年9月広島地方・家庭裁判所長
2024年4月大阪高等裁判所判事
現在大阪高等裁判所第4刑事部部総括判事

過去の注目判決

プレサンスコーポレーション元社長事件 付審判決定2024年8月大阪高等裁判所

大阪地検特捜部の検事が取り調べ中に「検察なめんなよ」と脅迫するなどの陵虐行為に及んだとして、無罪確定した元社長側が付審判を請求。村越裁判長は1審の棄却決定を取り消し、検察官として初めて付審判決定を出した。検事の取り調べが刑事裁判で裁かれる史上初の事例となった。

神戸高2刺殺事件 控訴審2025年6月大阪高等裁判所

2010年に神戸市で高校2年生が刺殺された事件で、元少年の被告に懲役18年とした1審裁判員裁判判決を支持し、弁護側の控訴を棄却。心神耗弱や旧少年法の適用を求める弁護側主張を退けた。

奈良・御所市火葬場談合事件 控訴審2026年3月大阪高等裁判所

火葬場建設工事の談合を見逃す見返りに7500万円を受け取ったとして加重収賄罪に問われた元市議の控訴審で、懲役4年の1審判決を支持し控訴を棄却。司法取引により立件された事件。

解説

「紀州のドン・ファン」事件は、2018年5月に和歌山県田辺市で資産家の野崎幸助さんが急性覚醒剤中毒で死亡した事件である。55歳年下の元妻・須藤早貴被告が遺産目当てに覚醒剤を摂取させて殺害したとして起訴されたが、1審の和歌山地裁裁判員裁判(2024年12月)は無罪を言い渡していた。検察側が控訴し、大阪高裁の村越一浩裁判長が控訴審を担当した。

控訴審の争点は、1審が行った事実認定に論理則・経験則に照らして不合理な点があるかどうかであった。村越裁判長は判決で、被告人が犯人であることを疑わせる事情(覚醒剤の密売人との接触、被害者死亡当日の不審な行動、遺産目当ての動機)を認めつつも、致死量を超える覚醒剤を被害者に気づかれずに経口摂取させることは「容易ではない」と指摘。被告人が密売人から入手した物が覚醒剤であったかにも疑いが残るとした1審の判断は不合理とはいえないと結論付けた。

刑事控訴審において1審の無罪判決が維持されるのは珍しいことではない。刑事訴訟法第382条は、事実誤認を理由とする控訴について「判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があること」を要件としており、控訴審は1審の事実認定を「論理則、経験則等に照らして不合理」かどうかという基準で審査する。最高裁平成24年2月13日判決(チョコレート缶事件)以降、この基準が厳格に適用されており、特に裁判員裁判の1審判断は市民が直接関与した判断として一定の敬意が払われる傾向がある。

村越裁判長は1991年の任官以来、刑事裁判畑を歩んできたベテランである。大阪地裁では刑事部の部総括(裁判長)を複数部で務め、令状部の上席判事として捜査段階の令状審査にも携わった経験を持つ。その後、那覇地家裁所長・広島地家裁所長と司法行政の要職を歴任し、2024年に大阪高裁に着任した。

大阪高裁着任後の村越裁判長は、今回のドン・ファン事件以外にも注目度の高い刑事事件を相次いで担当している。2024年8月には、大阪地検特捜部の検事が取り調べ中に「検察なめんなよ」と脅迫的言辞を用いたとされるプレサンスコーポレーション元社長事件で、検察官に対する付審判決定を出した。付審判制度は1951年以降22件の決定例があるが、検察官が対象となったのは史上初であり、「刑事司法の歴史が変わる」と評された画期的な判断であった。2025年6月には、2010年に神戸市で高校2年生が刺殺された事件の控訴審で1審の懲役18年を支持。2026年3月には、奈良県御所市の火葬場建設工事を巡る加重収賄事件(司法取引により立件)の控訴審でも1審判決を支持している。これらの判決に共通するのは、1審の事実認定を尊重しつつ丁寧に審査する姿勢であり、今回のドン・ファン事件でも同様のアプローチが一貫している。

大阪高裁は近畿2府4県の控訴事件を管轄する高等裁判所であり、刑事部は複数の部で構成される。第4刑事部を統括する村越裁判長のもとには、管内の重大刑事事件の控訴審が集中する。今回の紀州のドン・ファン事件のように全国的に注目を集める事件の控訴審を担当するのは、大阪高裁の刑事部総括として期待される役割の一つである。

大阪高検の畑中良彦次席検事は「判決内容を精査した上で適切に対応する」とコメントしており、検察側が上告する可能性も残されている。上告審は最高裁判所の管轄となり、憲法違反または判例違反がなければ上告棄却となるのが通例であるが、重大事件であるだけに今後の動向が注目される。

出典・参考

※ この記事はAIが公開情報をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な情報は出典元をご確認ください。