地位確認等請求事件
判決データ
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【事案の概要】 軽度の知的障害を有する被上告人は、警備業者との雇用契約に基づき交通誘導の警備業務に従事していたが、平成29年3月に保佐開始の審判が確定したことにより、被保佐人であることを警備員の欠格事由とする旧警備業法14条・3条1号(本件規定)に基づき雇用契約が終了し、退職を余儀なくされた。被上告人は、本件規定が憲法22条1項(職業選択の自由)および14条1項(法の下の平等)に違反し、国会が本件退職時点までに本件規定を改廃しなかった立法不作為が違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づく慰謝料を国(上告人)に求めた。 【争点】 ・本件規定(被保佐人を警備員の欠格事由とする規定)が、本件退職時点(平成29年3月)において憲法22条1項および14条1項に違反していたか ・国会が本件規定を改廃しなかった立法不作為が、国家賠償法1条1項の適用上、違法と評価されるか 【判旨】 大法廷は、まず本件規定の憲法適合性について、精神上の障害を理由に被保佐人を一律に警備員から排除するものであり、狭義の職業選択の自由そのものを強力に制約するとともに障害者差別にも当たることから、規制が「重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置」でなければならないとする比較的厳格な基準を採用した。その上で、昭和57年改正当時・平成14年改正当時は立法府の裁量の範囲内と認めつつも、その後の障害者権利条約の批准(平成26年)およびこれに伴う国内法整備(障害者差別解消法等の平成28年施行)、成年後見制度利用促進法の制定(平成28年)、警察庁の政策評価(平成30年)等を踏まえると、本件退職時点(平成29年3月)までには、7号規定(心身障害による個別審査規定)が代替措置として機能していることも明らかとなっており、本件規定が被保佐人のうち警備業務を適正に実施できる者を一律に排除することの不利益はもはや看過し難く、立法府の判断は合理的裁量の範囲を逸脱するに至っていたと判断し、本件規定は憲法22条1項および14条1項に違反すると結論付けた。 しかし、国家賠償法上の違法性については、①本件規定が違憲となった変化は外形的事実として容易に看取し得るものではなく、違憲性が確立した時期は本件退職時点に相当近接していたこと、②成年被後見人等に係る欠格条項の見直しの指摘は主として成年後見制度の利用促進の観点からのものであって憲法上の問題を理由とするものではなかったこと、③本件規定の憲法適合性について論じた学説・裁判例が存在しなかったこと、④多数の法律に設けられた欠格条項を整合性を保ちつつ統一的に見直す必要があり相応の期間を要したことなどを総合し、本件規定が憲法に違反することが「明白」であるにもかかわらず国会が「正当な理由なく長期にわたって」改廃を怠ったとはいえないとして、本件立法不作為は国家賠償法上違法と評価されないと判断した。原判決中の上告人敗訴部分を破棄し、被上告人の請求を棄却した。 【補足意見・反対意見】 裁判官林道晴、岡正晶、石兼公博が多数意見に補足意見を付した。裁判官安浪亮介は、平成28年頃には違憲性が確定・明白になっていたと考えるが、本件退職時点(平成29年3月)まで約1年しか経過しておらず「長期にわたる」不作為とはいえないとして、多数意見の結論に賛同する意見を付した。裁判官三浦守、尾島明、宮川美津子、高須順一、沖野眞已の5名は反対意見を付し、本件立法不作為は国家賠償法上違法であるとして上告棄却すべきと主張した。
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