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2026-03-28

林道晴裁判官最高裁判所

砂川猟銃訴訟 — ヒグマ駆除ハンターが逆転勝訴、最高裁が行政裁量の逸脱を認定

ニュース

自治体の要請でヒグマを駆除した北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(77)が、猟銃所持許可を取り消した北海道公安委員会の処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は2026年3月27日、処分を違法と判断し、原告の逆転勝訴が確定した。裁判官5人全員一致の意見。猟銃所持許可の取り消し処分を最高裁が違法と判断するのは初めて。

出典: 時事通信2026年3月27日

プロフィール

生年月日1957年8月31日(68歳)
出身大学東京大学法学部
修習期34期
定年退官2027年8月31日
現職最高裁判所判事(第三小法廷)

経歴

林道晴裁判官は34期(1982年任官)で、東京大学法学部卒。最高裁事務総局で民事局長兼行政局長、経理局長を歴任し、司法行政の中枢を担ってきた。最高裁首席調査官として最高裁の判例形成にも深く関与した後、2018年に東京高等裁判所長官に就任。2019年9月から現職の最高裁判事を務めている。行政法・民事法に精通し、多角的な視点から紛争の実態を把握することを信条としている。定年退官は2027年8月で、残り約1年半の任期となる。

1982年4月東京地方裁判所判事補(任官)
1985年8月最高裁判所事務総局民事局付
1989年4月札幌家庭裁判所判事補
1992年4月東京地方裁判所判事補
1993年7月最高裁判所事務総局民事局参事官
1996年8月最高裁判所事務総局民事局第二課長
1999年7月最高裁判所事務総局民事局第一課長
2005年1月東京地方裁判所部総括判事
2010年7月最高裁判所事務総局経理局長
2013年3月静岡地方裁判所所長
2014年11月最高裁判所首席調査官
2018年1月東京高等裁判所長官
2019年9月最高裁判所判事(第三小法廷)

解説

砂川猟銃訴訟は、2018年8月に北海道砂川市の要請でヒグマを駆除した猟友会支部長の池上治男さんが、北海道公安委員会から猟銃所持許可を取り消されたことを争った行政訴訟である。判決文によれば、池上さんは市の鳥獣被害対策実施隊員(非常勤公務員)として出動要請を受け、当初はヒグマ(推定0歳、体長80cm)を逃がすことを提案したが、市職員から住民の強い要望を理由に駆除を依頼され、発砲に至った。弾丸はヒグマに命中したが貫通し、射線方向にいた共猟者(C隊員)の猟銃の銃床に当たった。発砲地点から約38〜90メートルの範囲に複数の建物があったことから、北海道公安委員会は「弾丸の到達するおそれのある建物に向かって銃猟をした」として許可を取り消した。

一審(札幌地裁)は処分を違法として原告を勝訴させたが、二審(札幌高裁)は逆転敗訴とした。二審は「公益活動に従事したことと処分の適法性は別」とし、弾丸が周辺建物5軒に到達する危険性があったことや、C隊員の生命・身体を危険にさらしたことを理由に処分を適法と判断した。

最高裁は、二審判決を破棄し原告の勝訴を確定させた。判決は、本件発射行為がC隊員の財産に被害を生じさせ生命・身体にも危険を生じさせたこと、安土の確保等に関する基本的な判断を誤った可能性を認めつつも、池上さんが市の要請を受けた鳥獣被害対策実施隊員として「周辺住民等の生命、身体、財産及び生活環境の保護に資するという重要な意義を有する活動の一環」として発砲したこと、ヒグマと18メートル前後の近距離で対峙する緊迫した状況での判断であったこと、具体的な死傷の結果が生じていないことを総合考慮し、許可取消しは「重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した」と結論づけた。

林道晴裁判長は、最高裁事務総局で民事局長兼行政局長を務め、行政事件にも精通した裁判官である。定年退官まで残り約1年半となる中、行政裁量の司法審査に関する重要な先例を残した形となった。

AIによる考察

本判決は裁判官5人全員一致の結論であり、林道晴裁判長・平木正洋裁判官の補足意見、渡辺惠理子裁判官の意見が付されている。判決文に基づき、法的論点を整理する。

第一に、多数意見の判断枠組みについて。最高裁は、銃刀法11条1項の許可取消しが都道府県公安委員会の裁量に委ねられることを確認した上で、本件発射行為が「非常勤の公務員によって、周辺住民等の生命、身体、財産及び生活環境の保護に資するという重要な意義を有する活動の一環として行われた」点を重視した。銃刀法には公益活動を考慮する規定はないが、特措法(鳥獣被害防止特措法)の趣旨を踏まえ、許可取消しが「同隊員の職務の遂行に萎縮的な影響を及ぼし、ひいては、特措法の趣旨に沿わない事態を招くおそれを生じさせる」として、処分は「重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠く」と結論づけた。

第二に、林裁判長の補足意見が注目される。林裁判長は、銃刀法や鳥獣保護管理法の規定が「基本的には、個人的な用務による銃猟」を想定しているのに対し、本件は「いわば公務を実施する過程で行われたもの」であり、この事情を考慮しない判断は「明らかに衡平を失し社会観念上著しく妥当を欠く」と述べた。さらに、確保される利益と名宛人が受ける不利益の均衡を検討する「比例原則」的な思考を明示的に用いている点が重要である。

第三に、渡辺裁判官の意見は制度論にまで踏み込んでいる。渡辺裁判官は、現行の銃刀法が「取消処分か不問に付すかの二者択一」しかない点を指摘し、過失の程度や公益目的を考慮する規定の整備を立法府に求めた。また、C隊員の被弾について、C隊員が上告人の指示に反して射線方向に進入した経緯があり「上告人の一方的過失により銃床被弾が生じたとはいい難い」と指摘している。これらは多数意見には含まれない論点であり、今後の立法的対応に影響を与える可能性がある。

本判決は、行政裁量の逸脱・濫用について最高裁が実質的な審査を行い、銃刀法に明文規定のない「公益性」を裁量判断の考慮要素として認めた点で、行政法上の重要判例である。特に、3人の裁判官が個別意見を付し、制度設計の見直しにまで言及したことは、本判決が単なる個別事件の解決にとどまらず、害獣駆除制度全体への問題提起であることを示している。

出典・参考

※ この記事はAIが公開情報をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な情報は出典元をご確認ください。